映画『スーパーサイズ・ミー』うまくキマった卑怯な狙い撃ちドキュメンタリー

スーパーサイズ・ミー
出典:imdb
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作品データ

原題:Super Size Me
監督:モーガン・スパーロック
出演:モーガン・スパーロック
制作:2004年、アメリカ

あらすじ(ネタバレなし)

監督のモーガン・スパーロックは、30日間マクドナルドだけで食事を続けたらどれだけ健康に被害が出るのかを自ら身をもって実験し、それを映像に記録した。

『スーパーサイズ・ミー』の感想

1ヶ月マクドナルドだけで食事をして、どれだけ健康を害するか自分自身を実験台にしたドキュメンタリー映画。
結果は、医者に「命が危ない」とまで言われるくらいに健康が落ちた。

私は『ゆきゆきて神軍』とかマイケル・ムーアのデビュー作『ロジャー&ミー』みたいに、制作者の意図とは違う方向に話しが進んでゆき、このままでは映画にならないかもしれないような緊張感を伴う葛藤の末、思わぬ結末にたどりつき、傑作になってしまった、みたいなドキュメンタリー映画が好きだ。
だからこのようなシンプルな、最初から「マクドナルドは健康に悪い」という結論が決まっていて、なんの波乱も起きず、最初から定められた着地地点に向かってキレイに進んでゆくようなドキュメンタリー映画は好きではない。

それに同じものを食べ続けたら、どんな食べ物だって健康を害するのは当たり前だし、1ヶ月もマクドナルドの食品を食べ続けて「ほら、こんなに健康に悪いんですよマックは」という出来レース的な結論にもっていくなんて、ちょっと卑怯な狙い撃ちだとも思えてきて、ちょっとマクドナルドがかわいそうな気もしてくる。

スーパーサイズ・ミー

出典:imdb

かような理由で、この映画は下手するとボンクラなドキュメンタリー映画になるところだった。
しかしながら、この映画は結末が「思っていたよりはるかに健康を害した」という結果により、うまいこと成功しちゃった好例だといえる。

それに途中の端々でアメリカの食品業界の独占的な利権構造などが巧みに挿入されたり、健康アドバイザーとの会話「ビタミン剤とかを飲んでみては」「マクドナルドで売ってないものは一切口にしない企画なので」「ではマックシェイクじゃなくて、ヨーグルトシェイクに切り替えてください」「これからは水で」みたいなちょっと吹き出すようなやりとりがあったりして、エンターテイメントとして楽しめる面が多少あった。
そう、監督の彼女さんも美人だったしね。

願わくば、世界には46年間ビッグマックを毎日2個づつ食べ続けて何も問題のない人だっているわけだし、そういう結論と反対の人たちへの取材も、「俺たちはマックばっかり食べてるけどワークアウトしてるから健康だぜ!」と豪語する黒人さん2人組だけじゃなくて、多くとりいれて、結論をもっとぼかすことにより「考えさせる」感じにしてくれたら、もっと私の気に入る映画になっていたと思う。

評価

ちなみに私は個人的にマックは大好きなので、これからもマックを愛食してゆく気持ちにまったく変わりはない。
★★★★★

Good Movie 認定


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