作品データ
監督：嵐山みちる
出演：山下実優、坂崎ユカ、ハイパーミサヲ、MIZUHO、清水愛、のの子、辰巳リカ、木場千景、KANNA、ミウラアカネ、あずさ（仮）、えーりん
音楽：LBT
制作：2015年、日本
あらすじ（ネタバレなし）
DDTプロレスの女子部門・東京女子プロレスを追ったドキュメンタリー映画。戦う乙女たちひとりひとりに焦点を当て、プライベートの自撮り映像や、オリジナルソングに乗せて、その素顔に迫る青春の回顧録。目指すは夢の後楽園ホール大会。
『爆音セレナーデ』の感想
最近、ネットでよく東京女子プロレスの試合を見ている。
女子プロレスといえば、愛川ゆず季ロスからいまだに逃れられない私である。
90年代の第３期女子プロレスブームが終わり、長らく女子プロレスから遠ざかっていた私に再び火をつけたのが愛川ゆず季だった。
例えばBY砲（愛川ゆず季＆美闘陽子）対カワカツ（夏樹☆たいよう＆名前忘れた）の一連の名タッグマッチを超える凄い試合が愛川ゆず季引退以降、あったであろうか。
あまり試合数は見ていないので分からないが、たまにチラチラ見る限りでは、グッと減ったと思う。
愛川ゆず季の引退直前くらいだったか、何気なくインターネットで新人プロレスラーのデビュー前トーク番組みたいなのがやっていて、山下実優という選手に興味をもった。
その眼光、言葉の端々にどこか“戦う女”を匂わせる語り口に「この子はデキる！」と確信した私は、ポスト愛川ゆず季のプロレス界でもっとも将来を期待する新人レスラーとして山下実優の名前を大きく心に刻んだ。
しかしその後、私生活の状況がいろいろ変わって、プロレスを見ている余裕がなくなり、ずっと頭にはあったんだけれども、けっきょく山下実優の試合をひとつも見ないまま、何年もの月日が経ってしまった。
今年（2019年）に入るまで、実に６年間ものあいだ、山下実優は私の中で、ひとつも試合を見たことのないイチオシ女子レスラーという不思議な位置付けであり続けた。
ここ数ヶ月またぞろネットで女子プロレスを見るようになり、やっと山下実優の試合を初めて見た。
実際に試合を見てみると、あの時のデビュー前トークから直感した大器のようなものが見事に形になっている。
アイドルになってもおかしくない美少女ながら、とても男前な力強い試合をするいい選手なのだ。
山下実優以外では、つい先日初めて試合を目にして「この子はイイ！」と新たに感銘を受けたのが坂崎ユカという選手（このページのトップ画像の方）。
試合運びがとてもうまくて小気味好い試合をする。
魔法少女というコンセプトも自然に決まってるし、何より記者会見などでしゃべるときの天然トークと試合中の激しいギャップがまた素晴らしい。
あともうひとり、スターダムでデビューしたときからこの子は才能があると見込んでいたまなせゆうな。
この子も最近よく東京女子プロレスで試合をしているようだ。
というわけで、山下実優、坂崎ユカ、まなせゆうなが出ている試合だけであるが、最近はちらちらネットで東京女子プロレスの試合をよく見ていた。
そこで先日、ふと『爆音セレナーデ』という東京女子プロレスの選手たちを追っかけた劇場用ドキュメンタリー映画があることを知った。
こんなのがあったのかと思い、ちょうどこないだ入会したAmazonプライムで配信されていることを発見して、見てみたのだ。
前置きがやたら長くなったがここからが映画の感想。
プロレスのドキュメンタリー映画というと『ビヨンド・ザ・マット』『レスリング・ウィズ・シャドウズ』『ガイア・ガールズ』など割と出来のいいものが多いが、これは何ということのない普通のドキュメンタリーだった。
練習風景とか大会の舞台裏とか選手が成長してゆく姿とかよりは、素顔系ってやつ？
いわゆるリングの上ではみられない選手の素顔、あとはプロレスにかける想い、みたいな内容が中心。
坂崎ユカさんが目立っていたのはファンとして嬉しかった。
山下実優さんのプライベートはけっこうイメージと違って女の子っぽく、新鮮だった。
まなせゆうなさんはこの頃はまだ参戦していなかったのね。
映画としてどうこう評価できるようなものではないが、自撮りをこんな感じで効果的に取り入れているのはちょっと新しかった……かな。
あと最後のほう、けっこう長い時間をMV風のオリジナル音楽にのせて試合などのクリップを見せてくれたが、ここらへんはなかなかよかった。映画のシメとしてほどよくボリューム感を演出している。
それにしてもプロレスってスローモーにするとおもしろいな。
監督は誰かと思って検索したら、AV監督だった。
どうりで、と思うようなショットがいくつか。
予告編はなかなかカッコいい。
キラキラと輝きながらプロレスに青春をかける少女たちがまぶしくて、私はこの映画を観終わった後、とてもいい気分になれた。
だから、見てとてもよかったと心から思っている。
しかし……
評価
★★★★★
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