バラエティ番組『クッキング・ハイ マリファナ料理対決』合法か違法か!?

クッキング・ハイ マリファナ料理対決
出典:imdb
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作品データ

原題:Cooking on High
監督:マルセル・フェンテス
出演:ジョッシュ・レイバ、ウンガイオ・ビーラム
制作:2018年、アメリカ

あらすじ(ネタバレなし)

マリファナを食材に使ったお料理対決バラエティ番組。
毎回マリファナ好きのゲストがラリって審査をする。

『クッキング・ハイ マリファナ料理対決』の感想

日本でもよくある『料理の鉄人』みたいな番組なのだが、しかしただのお料理対決番組ではない。
タイトルからもわかる通り、マリファナを使った料理で勝負するのだ。

大麻を料理の食材として使うってのは昔からあるわけで、大麻を食文化として捉えた番組である可能性もあるかな、と思ったら、違った。
ちゃんとTHC(陶酔作用となる成分)を含んだ、食ったらハイになるマリファナを使って料理をするトンデモナイ番組なのだった。
まあ考えたらそうだよな、アメリカ制作だし、番組名に「ハイ」って入ってるし。

メンバー構成は司会者に、マリファナ好きのゲスト審査員が2組、毎回マリファナを用意する大麻博士のウンガイオさん、そして競技に参加する2名のマリファナ料理人である。

毎回「ランチ」とか「野菜」とかテーマが決まっており、ついでにマリファナも毎回異なるブランドが選ばれて、大麻博士が今週のマリファナはどこどこ産のナニガシ(ブランド名)です、とか言って対決前に開陳する。

おもしろいのが、審査員がお料理を食べてから審査に入る前に「THCタイムアウト(小休止)」というのがあって、これはマリファナが効いてラリってくるのを待ってから審査をするためのブランク時間ということ。
つまりお料理の味だけじゃなくて、ちゃんと気持ちよく“ハイ”になれるか、というところも審査の対象になるわけだ。
(しかしどちらの料理が効いてるかなんてわからないだろうから、単なる口実だろう)

このTHCタイムアウトのところで審査員のコメントが入るのだが、マリファナでハイになっているから、ただヘラヘラ笑っているだけとか、意味の通らないコメントを言うだけだったりして、いちいち「ヤバイなあ」とツッコミ入れながら笑って観れる番組だったりする。

お料理の間にゲスト審査員たちがペチャクチャしゃべるのだが、お料理の解説はほとんどおざなりで、マリファナについての思い出とか、ほとんど単なるマリファナ雑談。

例えばコメディ女優のヘザー・パスターナク(Heather Pasternak)がゲストで出たときは、「以前、マリファナを吸ったらゲロ吐きそうになっちゃって、そこで直前によく噛まないでオレンジ食べたことを思い出して、ああ、きっと今からオレンジがまるごと口から出てくるんだわ、って思って、これは皆んなに見せないと、って思って、皆を呼んだの」とかバカな話しをしてたりする。

このヘザー・パスターナクは2度ほどゲスト審査員で出演していて、2回目に出たときも「19歳の誕生日に友達が大麻ケーキを作ってくれたんだけど、大麻入れすぎちゃったみたいで、食べたら気持ち悪くなってきちゃって、顔色が緑色に染まって、ゲロ吐きながらハッピーバースデー♪って歌ったわ」とまたゲロの話し。
ゲロの話ししかしない美人女優っていったい……(ちなみにこのふたつは同じときの出来事なのだろうか? もし違うのなら、もうマリファナやめたほうがいいと思う)。

また、これからマリファナ料理を仕事で食べるってのに、もうスタジオ入りする前からマリファナを吸ってキメてきている審査員もいたりする。
もうここまでくるとバカ番組だな。

ただ雰囲気的にはそうふっきれてないけど。

大麻博士が毎回マリファナに関する豆知識を語ってくれて、例えばマリファナは3種類あって、特にインディカ種とサティバ種の2つが一般的だとか、マリファナは抗がん作用もあるだとか、真面目に勉強になる部分もある(まあ役に立たない知識だとは思うけど)。

あと印象的だったのが、ある回で優勝したお料理人が、「ぶっちゃけ、大麻の匂いを消せば勝てると思った」とか、身も蓋もないコツを暴露してて、要するにお料理番組として破綻していて、単にマリファナ吸いながらハイになって皆でワイワイやるだけの、いわゆるマリファナ賛美の番組の口実としてお料理対決があるんじゃないかと、そんな気さえしてくる。

ちなみに優勝した人には金のポット(英語のスラングでマリファナのことをポット [pot] というところにかけたシャレだと思われる)が授与される。

問題点としては、ゲスト審査員や料理人たちが回を重ねて随分かぶっていて、だんだん飽きてくることだ。
かぶること自体はいいのだが、司会者のコメントに例えば「前回は惜しくも勝利を逃しましたが、今回の自信のほどは」だとか「2回目の出場で今回も楽しみにしています」みたいな、前に出たことを踏まえた発言が少しはあってもいいはずなのに、そういうのがまったくなく、いつも、まるで初めて番組に出てきたかのように出てくるところが、なんだか「かぶってる」印象を高めている気がする。

だいたい、先に言及した美人女優さんや、キャラが立っている大麻博士は例外として、あまり華のある感じの人が出てないところも苦しいね。

まあつまらないわけじゃないし、番組の尺が15分くらいだからサクサク見れるので、多少の欠点はあっても印象はそれほどマイナスになってはいない。

それに私はとくにマリファナ解禁を強く主張する者ではないし、興味ないので解禁してもやるつもりないが、あんなジャンク・フードや砂糖と比べたらはるかに中毒性が低く、酒やタバコと比べたら大して人体に害がないものを、違法にしておく必然性はまったく感じないので、こういう番組が制作され、日本で字幕付きで放送されていることに痛快さみたいなものを感じているので、それが番組そのものの“おもしろさ”という印象の一部を助けていると言える。

評価

シーズン2を製作するならもう少しゲストの充実を期待したい。
★★★★★

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