映画『成龍拳』の感想 美味しいところは結構ありました

成龍拳
出典:imdb
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作品データ

原題:剣・花・煙雨江南
監督:ロー・ウェイ
脚本:古龍
出演:ジャッキー・チェン、シュー・フォン
制作:1977年、香港

あらすじ(ネタバレなし)

江南地方の総督の息子シャオライは、盗賊団・花蜂党の襲撃を察知し、追撃の準備を始める。やがて女首領ティン・チャンイェン率いる賊軍が現れ、乱戦の中で総督が殺される。怒りに燃えるシャオライはティン・チャンイェンを追い詰めるが、彼女の頬にある傷が自分の父の仕業と知り、とまどいの気持ちから彼女を逃がしてしまう。

『成龍拳』の感想

どうでもいいけど、「せいりゅうけん」と打ったら最初は「青龍軒」と変換された。
ラーメン屋か。

ジャッキー・チェン初期の主演作で、本道のコメディ路線外の作品。
その例に漏れず凡作の類だが、導入部はなかなかいい。
ジャッキー・チェンが最初ワルイやつかと思ったら実は立派な青年だったり、敵が単なる盗賊かと思ったら妖しさ満点だったり。
ストーリーやアクションにも工夫がいっぱいで、そこそこ楽しめたりもする。

問題は途中から妙にロマンスの流れになってうんざりさせられるとこ。
冒頭でキレッキレだったジャッキーが中盤、生き別れた恋人の名前を叫びながらウロウロし出すし、敵である盗賊団の女首領までが片思いのヒロイン化して「名前くらい聞いてよっ!」とひと昔前のラブロマンスかと思うような陳腐なセリフをはく。
しかしそこを差し引いても、この敵でありヒロインでもあるティン・チャンイェンのキャラはなかなかいい。

成龍拳

出典:imdb

お話しはかなり複雑だが、まとめかたが大雑把。
ぜんぶこいつのせいにしちゃえ、みたいな。

ネットでの情報によると、この映画のストーリーは監督さえ結末がよくわからないまま撮影を進めていったらしい。
確かに収拾つかなくなって、苦し紛れにまとめた感じはよく出ている。

クライマックスの格闘だけジャッキー・チェンが監督したそうで、ヒキの画が多くなるところなどジャッキー・チェンの演出っぽい。
しかし「そうかっ。ヤツの弱点は……」とか、安易すぎて笑える。
やはり格闘シーンは妖術みたいなのがまじっていた前半がおいしかった。

それにしてもなんで香港映画なのにしゃべっている言葉が北京語っぽいんだろう。

まあ『龍拳』よりは私はこちらの方がマシだと思った。
例えるなら『龍拳』は肉がパサパサのチャーハンで、こちらはチャーシューだけはうまい醤油ラーメンといったところ(だからラーメン屋じゃないってば)。

成龍拳

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評価

それなりに楽しかったですよ。
★★★★★


『成龍拳 (字幕版)』を見る

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