映画『マッドタウン』の感想 – 黙りバカは3年わからない

マッドタウン
出典:imdb
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作品データ

原題:The Bad Batch
監督:アナ・リリー・アミールポアー
脚本:アナ・リリー・アミールポアー
出演:スーキー・ウォーターハウス、ジェイソン・モモア、キアヌ・リーブス、ジム・キャリー
制作:2016年、アメリカ

あらすじ(ネタバレなし)

近未来。

アーレンは、テキサス州郊外にある無法地帯へと放り込まれた。

そこでアーレンは2人の女性につかまり、人喰い人間たちの住むブリッジへと連れていかれ、右手と右足をチョン切られて食べられる。

かたわになったアーレンはスケボーに乗ってなんとか逃げ出し、今度はコンフォートというドラッグ中毒の人間たちのいるコミュニティにたどり着く。

そこで義足を入手したアーレンは、砂漠をぶらぶらしている最中、人喰い女とその娘に遭遇。

アーレンは復讐心で女を殺すが、娘は生かしてコンフォートへと連れ帰った。

その頃、コンフォートではリーダーのドリームがパーティーを開催していた。

一方、アーレンが連れ帰った娘の父親は、必死に娘を探していた。

『マッドタウン』の感想

原題は『The Bad Batch』で、意味は「悪いやつら」っていうより「ろくでなしの集団」って感じ。

Netflixで予告編がおもしろそうだな、と思って再生した。
しかしこれが大失敗。

ダメな映画は最初の5分、ワンチャン1分でわかるものだが、この映画はちょっと時間がかかった。
「黙りバカは3年わからない」ということわざがあるが、最初の方あまりセリフがなかったのがダメさに気がつかなかった原因だ。

30分くらいしてヒロインが人食い女を殺す直前の会話で「あれ、ヘタかもこの映画」と薄々感じてきて(だいたいダメな映画はセリフや演出でわかるのだ)、それから10分くらいして、ヒロインが人食い少女を連れて帰った後の会話くらいからダメだこの映画、と割と大きな確信に変わった。

しかしまだ絶望ではない。

このジャンルなら、このレベルの低さでもまだぜんぜん可能性はある。
「突っ走れ!」そう心の中で叫んだ。

ストーリーはテキサスの荒野にポツンと横たわる2つのコミューン(村じゃなくて)、「コンフォート(上品なジャンキーの巣窟)」と「ブリッジ(人喰い集団)」の間をいったりきたりする女の話し。

マッドタウン

いまいち何を考えてるのかわからないヒロイン(出典:imdb

なんの予備知識も無いまま見はじめたので、最初はホラーっぽくてヒロインは被害者的な位置付けかと思ったら、しばらくしてリベンジものっぽくなり、そしていつのまにか『マッドマックス』的な、アナーキーな世界観で生き抜く女のドラマ(クソだが)と化した。

ようするにこれは、『マッドマックス2』みたいな近未来の世界観を描いたつもりの映画だったのだ。
ダサすぎて最初ぜんぜんわからなかったよ。

だったらもっとメカとかコスチュームとかアクセサリーとか建物とか凝ればいいのに。

人間の行動学が支離滅裂だと思ってたが、無法が支配する近未来の世界観を想定していたのだとわかるとなるほど、やりたいことはわかってきた。

しかし、やりたいことがわかったら、それはそれで印象はさらに最悪に。

↓ここから先はネタバレあり↓

ラスト、「スパゲティが食べたい」と駄々をこねる人喰いブリッジの娘に呆れて去ってゆくお父さん。
ここでお父さんが娘を見捨てて、女が娘にウサギを捌いて食べさせるラストだったら、ちょっと訳わかんなくて好きだったかも。
星ひとつくらいはあげたかな。

ところが、お父さんも交えて家族の構図に当て嵌めてたものだから、クソのまま終了で残念。

キャストがびっくりで、キアヌ・リーブスとジム・キャリー出演。
なんでこんなダメな映画にこの2人が出てるんだ!?

評価

このブログ史上2つ目の0点でまさかの3記事連続BAD MOVIE認定!
★★★★★

Bad Movie

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