インド映画『Jaan-E-Mann(愛しい人)』の感想

インド映画『Jaan-E-Mann(愛しい人)』
出典:imdb
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作品データ

原題:Jaan-E-Mann
監督:シリシュ・カンダール
脚本:シリシュ・カンダール
出演:サルマン・カーン、プリーティ・ズィンタ、アクシェイ・クマール
音楽:アヌ・マリク
制作:2006年、インド

あらすじ(ネタバレなし)

スーハンとピヤは愛し合い結婚する。
しかしスーハンは俳優として成功するため、結婚している事実を隠して映画に出演する。
映画はヒットせず、それがきっかけとなり、ピヤはスーハンの元を去っていってしまう。
そして数年後、スーハンのもとに、ニューヨークのピヤから離婚の申し立てと、莫大な慰謝料の請求が届いた。
困ったスーハンは、学生時代にピヤに片思いをしていたアガスティヤをけしかけ、ピヤと結婚させることで、自分への慰謝料の請求を諦めさせようと画策するのだった。
スーハンとアガスティヤは、ピヤのいるニューヨークへと旅立つ。
果たしてスーハンの目論見は成功するのか?

『Jaan-E-Mann(愛しい人)』の感想

よくYouTubeにちょっと古いインド映画がアップされていて、無料で見れる。
そこで、お気に入りのプリーティ・ズィンタが出ているこの『Jaan-E-Mann(愛しい人)』を見つけて、再生してみた。

はじまっていきなり、なんちゃって『2001年宇宙の旅』的なオープニング。
なんの冗談かと思ったら、これが素敵なエンディングへの伏線になっていた。

プリーティ・ズィンタも可愛く、サルマン・カーンも普通に絶好調。
アクシェイ・クマールはたまに演技がクサくて好きではないのだが、この映画の彼はそれほど悪くなかった。

後半のミュージカル曲『Kubool Kar Le』なんて、プリーティの繊細な演技が味わい深い。
表情ひとつでひとりの女性の心の変化を表現していて、見る者は最終的に彼女の気持ちはどこに着地するのか、目が離せなくなる。
インド映画スターの演技のクオリティの高さをこういうところに感じるな。

音楽もよかった。

最後まで安心して楽しく見れる良質のインド映画。

↓ここから先はネタバレあり↓

インド映画『Jaan-E-Mann(愛しい人)』全編(英語字幕)

ストーリーの成りゆきから、ヒロインのピヤ(プリーティ・ズィンタ)とスーハン(サルマン・カーン)との関係はもう過去のもので、基本的にこれはピヤとアガスティヤ(アクシェイ・クマール)の恋物語だと思って見ていた。

しかし最後のほう、スーハンが去ってひとりアガスティヤが残されるところで、ピヤはアガスティヤを通して実はずっとスーハンとデートをしていたことに気がつく。

これは最初から最後までスーハンとピヤの物語だったのだ。

ここまでの展開はなかなかうまいが、その反面、この時点でピヤと最終的に結ばれるのはスーハンだとわかってしまう。

しかし早々とオチがわかってしまって尚、なんだか感動させてくれるのがインド映画の盛り上げ方のうまさ。

アガスティヤの「きみは僕に恋したんじゃない。またスーハンに恋したんだ」のセリフなんて、ベタながら胸にジーンときた。

考えてみればピヤとアガスティヤが最終的に結ばれたら、離婚を描くことになってしまうわけで、そうなってはインド映画らしくなかったな。
最初から着地地点は明白だったのだ。

スターの華やかなオーラと演技、詩的なセリフなど、ディテールでうならせるのがインド映画ということだ。

最後の宇宙船のふたりとの会話シーンも最高。

評価

こんな素敵なインド映画がタダでみれるなんて嬉しいね。
★★★★★

Good Movie 認定

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