映画『カンフー・ヨガ』の感想 – ボリウッド+ハリウッド汚染カンフー映画

カンフー・ヨガ
出典:imdb
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作品データ

原題:功夫瑜珈
監督:スタンリー・トン
脚本:スタンリー・トン
出演:ジャッキー・チェン、アーリフ・リー、レイ(EXO)、ソーヌー・スード、ディシャ・パタニ、ムチミヤ、アミラ・ダスツール
音楽:ネイサン・ワン
制作:2017年、中国・インド

あらすじ(ネタバレなし)

中国の考古学者ジャックは、インドの考古学者アスミタに、消えたマガダ軍と財宝を探してくれと頼まれる。
ジャックは助手のシャオグァン、ヌゥオミン、アスミタとその妹カイラ、友人の息子でトレジャーハンターのジョーンズを連れて、探索を開始する。

一方、マガダ国で反乱を起こしたアルジュナの子孫ランドルも、財宝を狙っていた。

財宝をめぐって、チベットの雪山、ドバイ、インドを舞台に、ジャックたちとランドルの激しい争奪戦が繰り広げられるのであった。

『カンフー・ヨガ』の感想

ボリウッド映画と香港カンフー映画が合体したような内容だが、その実、セリフに中国共産党の一帯一路を後押しするような発言が出てきたり、中国語も広東語ではなく北京語だったり、昔ながらの香港映画の影はほとんど消えている。
ハリウッドも中国共産党の顔色伺うようになった昨今だし、我らがジャッキーもいろいろ大人の事情があるんだろう。

とりあえずそこの部分はスルーで、映画はとてもおもしろかった。

かつてインドのトップ・ミュージシャンであるA.R.ラフマーンが中国映画の音楽を担当したり、インド映画が中国のカンフー・アクションを積極的に取り入れていったり、インド映画と中国映画の交流はこれまでも盛んに行われてきたから、インドと中国の相性の良さはすでに証明されている。
ボリウッド映画とジャッキー・チェンのカンフー映画の融合、うまくなじまないわけがない。

私はジャッキー・チェンの大ファンだし、インド映画もDVDを100枚以上所持しているくらいのインド映画マニアだから、この組み合わせはカツカレー並みに美味しい。

ただジャッキー・チェン側のスタイルがかなりハリウッド風に毒された後だから、この企画はあと30年くらい早くやってほしかったというのが正直なところ。

ジャッキー・チェン映画の特徴としてヒロインが2人や3人いるという点があるが、今回も中国人、アメリカ人、インド人のトリプル・ヒロインで、華やかさはいつもながらだ。
しかし、顔立ちがみんなバシッとしたモデル系の美人ばかりで、国際色はあまり豊かな感じがしない。
色分けより美貌で選んだという、非創造的なキャスティング。
いかんなあ。

まあ、これもスルーで。

昔のような大掛かりなアクションはなかったけど、相変わらずジャッキー・チェンの動きはキレがあってよかった。
ライオン積んでのカー・アクションは大爆笑。

ジャッキーも歳だから、アクションの半分は若いやつにまかせていたが、それでも、なんだかんだ言ってジャッキーのアクションが一番楽しい出来になっているのはさすが。

↓ここから先はネタバレあり↓

カンフー・ヨガ

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惜しいのは、最後はヨガをカンフーに取り入れたヨガ・カンフーをジャッキーが編み出して敵を倒すのかと思ってたから、それがなかったのはちょっと拍子抜けだった。

ジャッキー・チェン演ずる主人公が宝探し的な流れになるので、途中でこれはアジアの鷹シリーズなのかな、と思ったが、ガムを噛むシーンは出てこなかった。
後でwikiを検索してみたら、これは2005年制作の『THE MYTH/神話』という映画の続編らしい。
見てないや。見ないと。

最後はボリウッドみたいなミュージカルシーンがいきなり始まって、楽しい終わり方。
踊っているジャッキー・チェンの笑顔が妙に幸せな気分にさせてくれるラストだった。

評価

30年前に作ってくれたら星4つ以上だったかも。
★★★★★

Good Movie 認定


『カンフー・ヨガ(字幕版)』を見る
『カンフー・ヨガ(吹替版)』を見る

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