映画『プロジェクト・イーグル』誰もジャッキー・チェンになれない理由

プロジェクト・イーグル
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作品データ

原題:飛鷹計劃
監督:ジャッキー・チェン
脚本:ジャッキー・チェン、エドワード・タン
出演:ジャッキー・チェン、ドゥドゥ・チェン、エバ・コーボ、池田昌子
制作:1991年、香港

あらすじ(ネタバレなし)

アジアの鷹ジャッキーのもとへ新たな仕事の依頼が届いた。それはサハラ砂漠に隠されたヒトラーの金塊を探し出すというもの。ジャッキーは早速、手掛かりを求めて当時ナチスの副官であった男の屋敷へ忍び込むが、無人と思われた家には副官の孫娘にあたるエルサが住んでいた。そこで唯一の手掛かりである鍵を手に入れたジャッキーは今回の任務のパートナーとして選ばれた歴史家のエイダと祖父の失踪の謎を解きたいと願うエルサを連れて金塊の眠る砂漠に向かって旅立ってゆく。

『プロジェクト・イーグル』の感想

『サンダーアーム』に続くシリーズ2作目。
アクションもお笑いもノリノリで、次から次へと大小の山場が折り重なり、もう退屈するところがない。

最大の目玉は、前作のアマゾネス軍団のインパクトを超える巨大扇風機!
最初は相変わらずバカなこと考えるなあ、と思ったが、やっぱり見ていくうちにクセになりそうなオモシロさが怒涛のように襲ってきて、最後は心から尊敬の気持ちを込めて「ジャッキー・チェン、ありがとう!」と叫びたくなった。

映画を見てるとわかるが、ジャッキー・チェンは寝ても覚めてもどこで何をやっていても、目に入るものすべてがアクションの題材に見えてくるみたいな人で、このクライマックスを見ていると、家電製品店で扇風機を見て「うん、次はこれでいこう」と頭の上に電球マークが飛び出た彼の様子が浮かんでくる。

しかもそれだけじゃない。
一度「巨大扇風機」と思いつたら、それを使って考えられる限りのアクションやコメディのバリエーションを出し尽くして流れに組み込んでいる。
きっと何人ものブレーンに一人何十個もアイデア考えさせて厳選するとか、やってるんじゃないかしら。

さらにそうやって考え出したアイデアを、アイデアだけに頼ることなく、鋼の肉体を駆使し、まさに命をかけてからだを張って表現するのだ。

まさに前人未到のアクション・コメディ・スター、ジャッキー・チェン。

それにしてもこの映画のジャッキーはデビュー当時みたいに髪の毛が長くて、いつになく親しみを感じる。
この親しみ易さがコミカルな雰囲気とあいまって、この頃のジャッキー映画の中ではとりわけ懐かしい雰囲気。

そういえばクライマックスのいい意味でちょっと古臭い音楽も、この懐かしい味わいを大きく助けていた。
この映画は全面的にインディ・ジョーンズの影響のもとにあるが、ここらへんの音楽の使い方はバスター・キートン色が濃厚だったりする。

あと、今回はヒロインが無駄に3人もいると思ったら、クライマックスでナチスのおまるヘルメットを武器に『スパルタンX』三銃士の女版ばりの活躍を魅せる。

もう最初から最後までアイデア盛りだくさん。
前作を超える出色のできばえ。

プロジェクト・イーグル

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評価

この映画、評判悪くてジャッキー・チェンはこの映画をきっかけに監督業からしばらく遠のいたとのことだが、なんのなんの、ぜんぜん最高傑作のひとつです。
★★★★★

Good Movie 認定


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