映画『ドラゴンロード』の感想 ジャッキー・チェンのサワヤカ新境地

ドラゴンロード
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作品データ

原題:龍少爺
監督:ジャッキー・チェン
脚本:ジャッキー・チェン、エドワード・タン、バリー・ウォン
出演:ジャッキー・チェン、フォア・シン
制作:1982年、香港

あらすじ(ネタバレなし)

ロンとジムはいいとこのお坊ちゃん。
スポーツとイタズラが大好き。

ある日、ロンはシャオリーという町娘に恋をし、盛んにアタックを繰り返すが、彼女は一向になびく様子がない。
何とか思いを伝えようと、恋文を凧で届けようとしたが、凧は飛ばされて校外の屋敷の屋根へ。
ロンはそこで、謎の男達が財宝の密輸を進めている光景を見てしまい、男たちから追われることとなる。

『ドラゴンロード』の感想

中学生のときに初めて映画館で見たジャッキー・チェンの映画だから思い出深い。
あの頃は他のジャッキー・チェン映画みたいに修行シーンがなく、最後まで等身大のまま悪いやつと戦う、というところがとても新鮮だった。

この歳になって改めて見てみると、この映画が新鮮な一番のポイントはそこじゃない。
この映画はカンフー映画に初めてスポーツ青春ラブコメ的なテイストを取り入れた意欲作だったのだな。
恐らくこの時期に「青春映画のスピルバーグ」とか言われてアメリカで大ブームになっていたジョン・ヒューズの影響だろう。

ここに巻き込まれ型サスペンスが絡む形でカンフーの流れになってゆく。
『ヤング・マスター』とか『龍拳』とか、修行シーンがないカンフー映画はだいたい主人公は最初からそこそこ強いものだったが、この映画はちょっとワンパクで喧嘩が強い程度。
カンフーの型もけっこうラフで、最後は「死んでも頑張るぞ」的な、ど根性で敵を倒すという。
まさにスポ根風カンフー映画。

これも一種のジャッキー・チェンの新境地で、この次の『プロジェクトA』でさらに飛躍するジャッキー・チェンの爽やか快作といったところ。

原題は「龍少爺」で、「少爺」とは「坊ちゃん」という意味だそうだ。
例えば夏目漱石の『坊っちゃん』の中国語題は『少爺』というらしい。
つまり『龍坊っちゃん』というタイトル。
うん、つくづく、青春映画らしいね。

ちなみに邦題の『ドラゴンロード』は、ずっと「ドラゴンの道」という意味だと思っていたのだが、よく英語のスペルを確認したら「road(道)」じゃなくて「lord(主人)」なのね。
よく中世ヨーロッパが舞台の映画で執事かなんかが貴族の息子を「坊っちゃん」と呼ぶときに「lord」という言葉を使っているが、ようするに『ドラゴンロード』も「龍坊っちゃん」という意味だったんだな。

ドラゴンロード

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評価

ラブコメ青春スポ根カンフー映画という新たな試みを買いたい。
★★★★

Good Movie 認定


『ドラゴンロード(字幕版)』を見る
『ドラゴンロード(吹替版)』を見る

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