映画『キラー・エリート』冒頭で萎えたらデ・ニーロ以外早送りね

キラー・エリート
出典:imdb
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作品データ

原題:Killer Elite
監督:ゲイリー・マッケンドリー
原作:ラナルフ・ファインズ
脚本:マット・シェリング
出演:ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン、ロバート・デニーロ
制作:2011年、アメリカ

あらすじ(ネタバレなし)

ダニーは凄腕の殺し屋だったが、仕事に嫌気が差し、足を洗って恋人と平和に暮らしていた。しかしある日、ダニーの元に彼の師匠であるハンターが人質にされているポラロイド写真が送られてくる。
ハンターは「元SAS隊員3人を事故に見せかけて暗殺する」という仕事をはたすことができず、逃げ出そうとしたところを捕まっていたのだった。
ダニーはハンター救出に向かうが、失敗し、ハンターの解放と多額の報酬を引き換えに、暗殺の代行を約束させられる。
やむなくダニーはかつて組んでいたデイヴィスとマイアーと共に、3人の捜索と暗殺に取り掛かる。
しかし彼らの前には、SAS出身者たちによって結成された秘密結社「フェザーメン」から送り込まれたエージェント、スパイクが待ち構えていた。

『キラー・エリート』の感想

実話を基にしたアクション映画。

それにしても、私はアクション映画がとくに好きだってわけじゃないのに、妙にアクション映画をよく見るな。
好きな俳優がよくアクション映画に出ているからだ。
この映画はロバート・デ・ニーロ目当てで見た。

よく映画の良し悪しは最初の5分を見ればわかる、なんてことを言う人がいる。
5分だったかはわからないが、この映画は冒頭のシーンを見てもう先を見るのがイヤになった。
本当につまらない冒頭なのだ。

だいたいベテランの殺し屋が、現場に子供がいたってだけで、仕事に嫌気がさして足を洗うって、意味わかんない。
笑わせたいのか、この制作者は。

少なくともこの時点で、この映画がストーリーだとか、本筋の部分でおもしろい可能性はほぼ無くなった。
あとは俳優の演技がよいとか、アクションが工夫いっぱいでエキサイティングだとか、すごい美人の女優さんが出ているとか、そういう飾りの部分で楽しめる要素がどれだけあるか、というところの勝負になる。

で、期待通りデ・ニーロはよかった。
最初はあまり出てこないので、「デ・ニーロ目当てで見たのに、これじゃほとんどゲスト出演じゃないか」と思って不満たらたらだった。

ジェイソン・ステイサムって、私はあまり彼の映画を見たことないんだけれど、今のところ『スナッチ』以外におもしろいと思った映画がひとつもないし(しかも、あの映画のおもしろさはステイサムあんまし関係ない)、いまいち魅力のわからない俳優のひとりである。
もう途中で見るのをやめようかとさえ思った。

が、後半はデ・ニーロが活躍するシーンが結構あって、その点に関してはちょっとだけ満足。

キラー・エリート

出典:imdb

それにしても、デ・ニーロの演技はいい。
デ・ニーロの演技はいつも、登場してから最初の数秒を見ただけで、そのキャラクターの人間性が浮かびあがってくる。
これはもう名人芸。

アクション・シーンもデ・ニーロが一番おもしろくて、とくに主人公の奥さんを護衛する過程は鮮やかだった。
主人公とくらべてどこか物腰がもっさりしているのに、局面になると無駄のない動きでキレッキレに仕事をこなすという。
つまり「任務に失敗して捕まる」程度にはもうろくしているけど、「簡単な護衛の仕事」程度ならここまでやれる人、という微妙なさじ加減を演技で見事に表現しているのだ。

さすがデ・ニーロ。
アクションひとつとっても、キャラクター性がにじみ出た役作りを忘れていない。
最後まで死なないところもよかった(なんとなく途中で死ぬ気がしていた)。

逆に、デ・ニーロ以外のアクションシーンは何ひとつおもしろいと思った部分がなかった。
肝心のステイサムは大御所に完全に喰われてるし。

キラー・エリート

出典:imdb

だいたい、主役たちは凄腕の殺し屋で、その敵がSAS(特殊空挺部隊)という、割と高度な攻防を魅せやすい設定なのに、ぜんぜんうまく使っていない。
この設定でどうしてここまで凡庸なアクションしかできないのかと呆れる。

そんな感じでもう冒頭からうんざりきていたところにパッとしない展開がずっと続いてきたから、クライマックスの、一件落着したと思ったらまだ敵が残っていた、みたいなところとか、もういい加減終わりにしてくれと思った。

まあ、デ・ニーロが出ているシーンだけ見てあとは早送りすれば星3つくらいの印象にはなりそうな映画。

評価

というわけで、早送りして見なかったから、この評価。
★★★★★

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