中国ドラマ『絶代双驕 〜マーベラス・ツインズ〜』の感想 – ダラダラ長いが無駄じゃない

中国ドラマ『絶代双驕 〜マーベラス・ツインズ〜』
出典:imdb
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作品データ

原題:绝代双骄
監督:鄒集城、劉方
原作:古龍
出演:フー・イーティン(胡一天)、チェン・チョーユアン(陳哲遠)、リャン・ジンシュン(梁婧嫻)、リャン・ジェイ(梁洁)、ニキータ・マオ(毛林林)、孟丽、斌輝哥、邵芸、趙櫻子、王禛
制作:2020年、

あらすじ(ネタバレなし)

小魚児と花無缺は双子だが、移花宮の邀月宮主の陰謀により、お互いが肉親であることを知らず、争うよう仕向けられる。

『絶代双驕 〜マーベラス・ツインズ〜』の感想

しかし『エターナル・ラブ』といい、この『マーベラス・ツインズ』といい、中国のドラマにカタカナ題はどうも馴染めんな。

何度も映像化されている人気の高い原作らしい。
原作が原作だけに、主役が複数いて、ストーリーがそれぞれにフォーカスされては時おり絡み合うという、古典的な中国武侠小説風のストーリー運びが楽しい。
出てくる武闘家たちも古典的なステレオタイプが多くて、私の世代のカンフー映画ファンには嬉しい内容。

ストーリーはあっちいったりこっちいったり。
登場人物が無数に入り乱れ、あっちについたりこっちについたり。
あれとこれが繋がったり、これとあれが絡みあったり。
中国の大河ドラマはこういうアヤアヤしたストーリー構成が魅力だと言える。
(「アヤアヤ」という表現は私の尊敬する高島俊男先生が『水滸伝』の解説書で使った言葉である)

前半、だらだらと、つまらないわけではないが、たいしておもしろくもないくだりが何話と続くところがあるが、ジャンル的に好きだからとりあえず見続けていられる。

それにストーリーがダラダラしていても、たまに第8話のような神回があるから侮れない。

それにこのドラマの素晴らしいところは、アクションのクオリティがえらく高いこと。

↓ここから先はネタバレあり↓

盛り上がってくるのは後半から。
燕南天(後でわかるのだがそっくりの別人だった)が復活してくるあたりから、やっと停滞していたストーリーが進みはじめる。

中国の武侠ものは『水滸伝』の高俅みたいに、複雑なストーリー展開のなかにも全編を通して、一貫してちょろちょろ登場する悪役みたいなのがあるが、このドラマではそれが江親子(江別鶴とその息子)にあたる。
(一応、ラスボスは移花宮の邀月なのだが)

よかったのは、第1話で江別鶴の若い頃(江琴)がちらっと登場し、しばらく登場しないで、ストーリーの中盤からその息子が同じ俳優で台頭してくるところ。
一方、歳をとった江別鶴本人は別の俳優に演じさせ、それが実は第1話に出てきた江別鶴と同一人物であるという事実が、息子の正体より先に明かされる。
行き当たりばったりのような長くダラダラしたストーリー運びの中にも、こう言う仕掛けがあるから侮れない。

女性キャラでは鉄心蘭がよかった。
次が移花宮の怜星。

中国ドラマ『絶代双驕 〜マーベラス・ツインズ〜』

慕容九(出典:imdb

序盤で江小魚と恋仲だった鉄心蘭だが、後半は花無缺と恋仲になる。
それは最初からエンディング曲に映し出されるクリップでわかっていた。

前半の江小魚と鉄心蘭の関係がいい感じだったため、後半そういう展開になることを考えると違和感を禁じ得なかったが、実際にストーリーが進んでゆくと、これが実に自然にそういう流れになってゆく。
こういうところも、ダテにダラダラ長いわけじゃないな、と思った。

最終話で、死んだと思われた江小魚が息を吹き返すシーンは、わかっていても痛快だった。
また、それで悔しがる邀月の演技がまた素晴らしい。

しかし最後、崖から落ちてゆく邀月が、正面から落ちたのに、花無缺が慌てて崖の下を覗くと、仰向けに落ちてゆくのはどういうことだ。
ここは落ちてゆく邀月の背中が映って、表情が見えない方がよかった。
最後の最後にこういう安っぽいドラマ演出でミソをつけちゃいかんなあ。

あと、お気に入りの怜星の死があっけなくて悲しかったな。

総評としては、中盤手前くらいちょっとダレるところはあったが、後半は盛り上がって最後まで飽きずに楽しく見れた。

評価

ダラダラ長いが、ストーリー的な仕掛けがたくさんあるので、無駄に長いわけじゃないし、アクションがかなりよかったので、いいドラマだと思った。
★★★★★

Good Movie 認定

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