映画『イップ・マン 序章』複雑な心境で古きよき時代に思いを馳せる

イップ・マン 序章
出典:imdb
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作品データ

原題:葉問
監督:ウィルソン・イップ
脚本:エドモンド・ウォン
出演:ドニー・イェン、サイモン・ヤム、池内博之
制作:2008年、中国

ストーリー(ネタバレなし)

1930年代の中国広東省佛山。家族と共に平穏な日々を送る詠春拳の達人、イップ・マン。その実力と人格で人々の尊敬を集める一方、彼を倒して名を挙げようとする武術家たちも多い。そんな挑戦者たちをイップ・マンは心ならずも次々に倒してゆく。ところが折しも日中戦争が勃発。日本軍の空手の達人がイップ・マンの前に立ちはだかる。

『イップ・マン 序章』の感想

近年またぞろ制作されはじめた旧式タイプの香港カンフーアクションで、とにかく最初のシーンが素晴らしいこと。

カンフーの達人、葉問(イップ・マン)の家に、某カンフーの師匠が「お手合わせを願いたい」と訪ねてくる。
葉問は「いま食事中ですので」と断るが「それでは食事が終わるまでお待ちします」と相手は言うので、「それではご一緒にどうですか」とこれから戦うふたりがほのぼのと会食をはじめる。
食後、のんびり茶をすすり、菓子をつまみ、タバコをくゆらせ……そして、アクションシーンがはじまる。
といったオープニングなのである。

この、ほのぼのとした空気を切り裂くようにはじまるキレのあるカンフーバトル!
これに私はいっぺんに魅せられてしまった。

これは傑作だ!と狂喜したのもつかの間、その後に続くアクションシーンはスローモーションやらドラマチックなカメラワークやらを使いすぎ、迫力もなんも感じられず、見ていてぜんぜんおもしろくなくなった。
これでもうテンションがガタ落ち。

最初のアクションシーンはひとつもスローモーションなんぞ使っていなかったが、じゅうぶんスゴかったではないか。
盛り上げようとして装飾をほどこしたところがかえってアクションのキレを落とし、クサい異臭を放つ演出過多なスタイルに貶めてしまっているのだ。
最初からこの調子だったらまた印象も違ったのだろうが、冒頭シーンであまりにも感動してしまったので、つい比べてしまうんだな。
だから私はこの映画、まともに評価できない。

高級コース料理を食べにいって、最初に出てきたサラダのドレッシングがあまりにもうまかったので、メインディッシュのデミグラスソースがくどく感じてしまい、肉のうまさがさっぱりわからなかった、みたいな感じか。

ストーリーもキャスティングもキャストの演技も悪くないと思うのだが、アクションシーンにベタベタと飾り付けられたスローモーションとカメラワークのせいで、冒頭シーン以外なんも楽しめなかったし、感動もできなかった。

おそらく気にならない人にはいい映画なんじゃないだろうか。

しかしやっぱり、こういう旧式タイプのカンフー映画は、『酔拳』とか『蛇拳』とか、70年代のジャッキー・チェンがよかったなあ。
なんて物思いにふけってばかりの映画鑑賞だった。

イップ・マン 序章

出典:imdb

ちなみにこの映画の悪役は日本人。
そういえば以前、中国人の友だちが「中国のアクションヒーローものは、だいたい日本人が悪役をやるんだよ」と言って笑っていた。

あまり日本には輸入されていないから知られていないのだが、“悪の日本人”は海外では定番のモチーフなのだな。
そういえば、アメリカ人の友だちで“悪の日本人”をモチーフにした漫画やイラストを集めているヤツもいたっけ。
ああいうのは日本でいうナチスが好きでナチスものを集めているマニアみたいなものかもしれない。

まあ反日映画という見方もあるけれど、エンターテイメントとしてはただ定番の悪役が選ばれただけ、という認識でバチは当たらないんじゃないかと思う。

イップ・マン 序章

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評価

なんだか、損した気もする。
評価不能


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