アニメ『リラックマとカオルさん』自己完結型どんでん返しで好印象

リラックマとカオルさん
出典:imdb
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作品データ

監督:小林雅仁
脚本:荻上直子
出演:多部未華子
制作:2019年、日本

あらすじ(ネタバレなし)

ちょっとトボけたアラサー女性のカオルさんは、都内の小さな商社で働くごく普通のOL。
ひとつだけ変わっていることは、いつの間にか部屋に住み着いた、毎日だらだらしているリラックマ、いたずら好きなコリラックマ、そしておそうじが得意なキイロイトリと暮らしていること。
自分の性格が真面目なことにちょっとばかりコンプレックスを抱いているカオルさんと、のんきなだららん生活を送るリラックマたちが過ごす色とりどりの12か月。

『リラックマとカオルさん』の感想

ほのぼの系のコマ撮りアニメである。

実はあまり興味がなかったのだが、私の奥さんに「これ、一緒に見よう」と誘われたのだ。

第1話を見た限りでは、お話しやキャラクターには大した工夫がなく、ただ主人公のOLに共感をおぼえる二十代三十代女子、あるいはキュートなぬいぐるみキャラが動いているところを見ているだけで「かわいい〜♪」つって楽しめちゃう人向け、という感じ。
よって、私には何もおもしろくない。

しかし過去には奥さんに誘われて見たアニメで『クレヨンしんちゃん』とか『少年アシベ』とか、意外におもしろかった作品もけっこうあったので、この『リラックマとカオルさん』は私の好みの問題を抜きにして、あまり出来そのものもよくないのかもしれない。

だいたい第1話の脚本はまずい。
主人公カオルさんの、「彼氏ナシひとり暮らし独身OL」という異常なまでのステレオタイプっぷり。
会社や家での日常の描き方やオチに至るまで、今どきこんな古臭い設定とお話しで堂々と新作アニメの顔してNetflixオリジナル謳わせている人たちの感性を疑いたくなる。

第2話まで見すすめて、もうひとつこのドラマの重大な欠点がわかってきた。
肝心のリラックマがかわいくないのだ。
うちの奥さんだって「鳥がかわいい」ばかり言って、クマには目もくれていない様子である。

そんな感じでこのアニメ、序盤はかなり印象が悪かった。

リラックマとカオルさん

いい味出してるカオルさん。と、リラックマ(出典:imdb

ところが第3話あたりから、意外なことに、だんだん前向きに見れてくる自分がいた。

クマは相変わらず可愛くなかったが、だんだんカオルさんのキャラに愛着が湧いてきて、ちょっと楽しくなってきたのだ。
口元とか愛嬌があって、そこそこ男好きするわりには地味で冴えないOLな感じもよく出ている。
多部未華子の声もいい。
まさか最初あそこまで印象悪かったシリーズが、カオルさんのキャラひとつでここまで持ち直すとは思わなかった。
まさに自己完結型どんでん返しである。

↓ここから先はネタバレあり↓

第1話では酷いと思ったお話しも、その後はちょこちょこ意表をつく展開のエピソードも出てきて、悪くなくなった。
第12話ではリラックマたちがカオルさん家にやってくる過程も描かれるのだが、別になんという説明くさいことやらないところが好感もてる。

最終回では、最後に空っぽになったアパートの部屋が映るショットがとても印象深くて、有終の美を飾っていた。

なんだかんだいって、私はこのアニメ、けっこう気に入った。

おもしろかった。

リラックマとカオルさん

びっくり(出典:imdb

評価

というわけで、カオルさんとラストショットに星3つ献呈。
なんだか、最後まで見てよかったぞ。

★★★★★

Good Movie 認定

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