作品データ
原題:Life After Beth
監督:ジェフ・ベイナ
脚本:ジェフ・ベイナ
出演:オーブリー・プラザ、デイン・デハーン、ジョン・C・ライリー、モリー・シャノン
音楽:ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ
制作:2014年、アメリカ
あらすじ(ネタバレなし)
ガールフレンドのベスを亡くしたザックは悲しみに沈んでいた。そんなある日、ベスの両親の家を訪れたザックが目撃したのは、生きて動いているベスの姿だった。驚いて問いただすザックに、ベスの両親は「葬式のあと、ベスがとつぜん蘇ったの」と告げるのだった。
『ライフ・アフター・ベス』の感想
オーブリー・プラザのゾンビっぷりが光る快作。
この女優さんはデフォルトでゾンビ目がチャームポイントだから、これほどの当たり役はないかもね。
最近『チャイルド・プレイ』の新作でスクリーム・クイーンを演じたばかりだが、ああいうミスマッチもまたおもしろい。
とにかくこの映画、オーブリーの魅力でもっているようなもの。
とくに後半、完全なゾンビになってゆくほど愛らしくなってくる。
オーブリーにしか出せない味わいといえる。
ボリス・カーロフのフランケンシュタイン、クリストファー・リーのドラキュラ、ロン・チャイニーのオペラ座の怪人などに並ぶ、歴史的な怪演と言っても過言ではない。
また、この手の美少女がゾンビになる作品といえば、ウェス・クレイヴンの『デッドリー・フレンド』と大槻ケンヂの『ステーシー』が思い出されるが、間違いなくこの『ライフ・アフター・ベス』の素晴らしさはかの2作品さえも超えている。
などと、オーブリー・プラザの存在感に注目するとこれは間違いなく5つ星の大傑作なのだが、しかし少し残念な問題もあった。
というのも、気になる点が2つほど。
1つ目は、導入部がイマイチぱっとしないこと。
まるでストーリー途中の中だるみから映画が始まってるみたいな印象で、タイトルテロップがなかったら「もう始まって20分くらいたっているのかな」と勘違いしてしまいそうな生ぬるさ。
アートな映画だったら効果的かもしれないが、このてのコメディ&ホラーでこの導入部は流石にない。
もう1つの問題点は、最後の方にちょっと余計なゴミが付いている点。
↓ここから先はネタバレあり↓
どうもアメリカ映画って、恋愛もので、相方が死ぬか別れるかで失われてしまうストーリーの場合、最後にわざわざ「次の人」をほのめかしたがるきらいがある。
まるでそうしないと映画が終われないとでも思っているかのようだ。
ゼメキス監督の『キャスト・アウェイ』なんかもそうだが、「いらないなあ」と思うことがほとんど。
どうせ次の人をほのめかすなら、『アデル、ブルーは熱い色』くらいボヤーッと描いてほしい。
アナ・ケンドリックは好きだから出ていたのは嬉しいが、どうせなら意地悪なライバルかなんかで、最後ゾンビに喰われるか何かで出てきてくれたらよかったな。
まあしかし、気になるところはあるものの、この映画が心に残る名作であることには変わりない。
多少の欠点が気になってしまうのは、逆にこの映画の魅力が深いことの証明だともいえる。
最後の30分など、印象に残るいいシーンがたくさんあった。
評価
映画の出来としては3つ星だが、個人的にかなり気に入ったので。
★★★★★
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