映画『スノーピアサー』アイデア勝ち、でも材料が古すぎて料理には失敗か

スノーピアサー
出典:imdb
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作品データ

原題:Snowpiercer、설국열차
監督:ポン・ジュノ
原作:ジャック・ロブ
脚本:ポン・ジュノ、ケリー・マスターソン
出演:クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ
制作:2013年、韓国、アメリカ、フランス合作

あらすじ(ネタバレなし)

2031年。地球は氷河期を迎えていた。生き残ったわずかな人類は「スノーピアサー」という永久に走り続ける列車の中で生活していた。そこでは前方車両に住む富裕層がすべてを支配し、最後尾に住む貧困層は奴隷同然の扱いを受けていた。そんな中、貧困階級のカーティスは自分たちを苦しめる理不尽な支配に立ち向かうべく、仲間と共に反乱を企てる。

『スノーピアサー』の感想

韓国の巨匠ポン・ジュノ監督のちょっとアメリカ映画っぽいSF近未来映画。
ポン・ジュノのハリウッド進出作品だと思ったら、基本的には欧米の俳優を使った韓国映画なのね。

氷河期を迎えた未来の人類が列車に乗って生活し、前の車両から格差社会が形成されている。
そんなアイデアはおもしろいと思ったのだが、もう見はじめて数分でいきなり漂うダメダメ感。
描き方が古すぎる。

貧乏な人たちのボロボロな姿に、煤けた車両内。
ここにいる人たちが普段からどんな生活をしているのか、どんな人生を送っているのか、どんな格差社会が展開されているのが、ぜんぜんイメージが伝わってこない。
40年前の劇画みたいな形骸的な記号しか表現されておらず、今どきの映画でこの世界観はまあザルもいいとこだなと呆れ返った。

とにかく問題はストーリー以前の状況設定である。
走り続ける列車の中でわざわざ住み続けなくちゃいけない、という必然性もまったく感じないし、車両には寿司屋があったかと思えば、小学校の教室があったり、植物園があったかと思えば、美容院があったりナイトクラブで人々が踊っていたりして、ほとんど店舗が並んでいるだけで社会的地位とか人民のヒエラルキーなどもよくわからない。

だいたい仮にも生き残った全人類が生活をしている列車なんだから、もっとわれわれが常識で考える列車の大きさをはるかに超える、動く要塞っぽいデザイン仕様にしてくれたらリアリティが違ったんじゃなかろうか。
表面的には本当に普通の列車なのだ。
(雪がちょっと雪崩れてきただけで脱線しそうになる普通の列車っぷり)

最後列に住む最下層の登場人物たちが前へ前へと車両を移動してゆく過程にワクワク感みたいなものをまったく感じなかった。
あの『グエムル』を作ったポン・ジュノとは思えないセンスの無さ。

世界観がこれだけダメだと、そこにのっかるストーリーも魅力あるものに感じられない。
設定のザルっぷり、古臭さで私の目にフィルターがかかっているから自信を持って言えないが、ストーリーそのものも結構つまらなかった気がする。

ティルダ・スウィントン演ずるメイソン総理なんて、キャラは立っているのだが、ベタで古臭くてぜんぜんおもしろいと感じない。
90年代で賞味期限切れてるよな、この手のキャラはもう。

評価

満を持して登場する最後のシロクマさんが哀れ。
★★★★

Bad Movie


『スノーピアサー(字幕版)』を見る

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