映画『ボーダー』の感想 – フロンティア・ジャスティスの否定

ボーダー(原題:Righteous Kill)
出典:imdb
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作品データ

原題:Righteous Kill
監督:ジョン・アヴネット
脚本:ラッセル・ジェウィルス
出演:ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ
音楽:エド・シェアマー
制作:2008年、アメリカ

あらすじ(ネタバレなし)

ニューヨーク市警察に勤めるターク刑事とルースター刑事はこれまで多くの悪人を逮捕してきた名コンビ。
そんなある日、ふたりは凶悪犯罪者ばかりを狙う連続殺人事件に遭遇する。
捜査を続けていくうちに、事件は警察官の犯行である可能性が浮上してきた。
そして警官たちは、犯人はターク刑事ではないかと疑いはじめる。

『ボーダー』の感想

ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノ主演。
『ヒート』以来2度目の共演。
『ヒート』は刑事(パチーノ)と犯罪者(デ・ニーロ)だったが、こっちは刑事コンビ。

アメリカのふたり組の刑事ものというとジジイと若いの、もしくは若いの同士が多いが、暑苦しいジジイ刑事コンビってのは珍しい。
この設定はちょっとおもしろいな。
しかもそのジジイふたりがデ・ニーロとパチーノときてる。
あと10年遅くやってくれたらもっとインパクトあったんじゃないの。

しかし如何せん、映画じたいはクソつまらなかった。
クソつまらないのだが、デ・ニーロやパチーノが出ている映像を早送りするなんて私にはとても出来ない。
なんせ、ほぼすべてのシーンにデ・ニーロかパチーノ、どちらかが出ているのだ。
やっかいな映画である。
(つまらないからデ・ニーロとパチーノが出てないシーンは早送りしようと思ってたら、一回も早送りできなかったという)
デ・ニーロとパチーノをここまで味気なく撮った罪は重いぞ。

そう、この映画の最大の問題点は、このふたりの渋味をちっとも映像で感じさせてくれない演出力・画作りの才能の乏しさ、これに尽きる。

ストーリーもイマイチなのかもしれないが、演出と映像のダメさでバイアスがかかってて正しく判断できない。

↓ここから先はネタバレあり↓

ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノ

静止画にするとバシッと渋く決まってるんだけどなあ。(出典:imdb

ラストは片方が犯罪者(パチーノ)になり、ちょうど『ヒート』と逆の構図になる。
ようするにふたり組の刑事コンビの片方が実は「必殺仕事人」で、最後はそれがバレて自滅する、というお話だ。

これがフロンティアジャスティスの国アメリカが撮った映画なのかと思う。

いっそ、パチーノの仕事人ぶりを中心にカッコよく描いていって、法に従わない正義を前面に押し出した上で、このラストにしたら、ちょっと考えさせる感じになって、少しはおもしろくなったんじゃなかろうか。
だいたい原題は「Righteous Kill(正義の殺し)」だし。

そういう点で、ストーリー的には、描く方向とキャラ設定を間違えた映画だと思う。

評価

いっこも楽しめなかったのでこの評価です。
★★★★

Bad Movie

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