映画『片目のジャック』の感想 – マーロン・ブランドが描くヒューマニズム西部劇

片目のジャック
出典:amazon
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作品データ

原題:One-Eyed Jacks
監督:マーロン・ブランド
原作:チャールズ・ネイダー
脚本:カルダー・ウィリンガム、ガイ・トロスパー(脚本初期段階にはサム・ペキンパー、ロッド・サーリングも参加)
出演:マーロン・ブランド、カール・マルデン、パンチョ・ゴンザレス、キャティ・フラド、ベン・ジョンソン、スリム・ピケンズ
音楽:ヒューゴー・フリードホーファー
制作:1961年、アメリカ

あらすじ(ネタバレなし)

1890年代のメキシコ国境地帯。
リオとロングワースは銀行強盗を働き、追跡を逃れるため分かれて逃走することになる。
ロングワースは「馬を取りに戻る」と言い残したのだが、彼は裏切り、戦利品を持って一人で逃げ去ってしまった。
リオは逮捕され、投獄される。
5年後、リオは刑務所から脱獄し、復讐のため、ロングワースの町を訪れる。
ロングワースはその町で保安官になっていた。
しかしリオは、ロングワースの娘ルーサと関係を持ってしまう。

『片目のジャック』の感想

マーロン・ブランド最初で最後の監督作品。
これはもとはキューブリックが監督する予定だったが、諸事情で降板したために、ブランドが監督することになったらしい。

↓ここから先はネタバレあり↓

マーロン・ブランドとカール・マルデン

ブランドが演ずるリオは根っからの悪人。
しかし後半、その奥底に高潔な本性を持っていることがわかってくる。
対してダッドは一見いい人そうな顔してるが、人を裏切る男。

この2人の人物への、ダッドの妻と義娘の洞察力が面白い。

片目のジャック

ダッドがリオに妻のマリアと娘のルイザを紹介するシーン

リオが悪人だと見抜くマリア。
しかし若いルイザは、リオが好人物だと思って惚れてしまう。
この段階では、年の功か、マリアの人を見る目の方が優っているように思える。

しかしよく考えてみると、人を見る目がある女が、ダッドのような男の妻にはならない。

悪人リオは旧友の義理の娘に手をだす節操のなさだが、しかしルイザに本気で恋をしてしまう。
翌日に酒場でゲスな男に煩わされてる女を見て黙っていられなかったのも、彼の高潔な本来がルイザへの想いをきっかけに、表に出てきた証拠である。
ルイザが一度だけ首に巻いたネックレスをしみじみ眺めるところにもその気持ちが表れている。

最後まで見ると結局、ルイザよりマリアの方が深く人を見る目を持っていたことがわかる。
こういうレイヤーのあるヒューマニズムっていいね。

タイトルの「片目のジャック」とは、トランプのジャックのことだそうだ。
顔が横向きで片側しか描かれていないためにそう呼ばれているとのこと。

映画を観た後だと、人間の多面性がうまくストーリーに活かされた、ストーリーに合ったタイトルだとわかるが、見る前は片目が傷で潰れてるいかついガンマンが出てくる映画かと思って拍子抜け要素でもある。

西部劇にしてはスピード感がゆるく、メロドラマじみてるけど、人間描写の細部を味わうと、決して悪くない出来。

ちなみにマーロン・ブランド本人が最初にこの映画を編集したときは5時間の長尺だったそうな。
ぜひ5時間のディレクターズカットを観ていたいものだ(ちょっと怖いけど)。

評価

個人的なマーロン・ブランド贔屓でこの評価
★★★★

Good Movie 認定


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