作品データ
原題:Un bonheur n’arrive jamais seul
監督:ジェームズ・ユット
出演:ソフィー・マルソー、ガッド・エルマレ、フランソワ・ベルレアン、モーリス・バーセレミー
制作:2012年、フランス
あらすじ(ネタバレなし)
作曲家のサーシャは、夜はジャズ・クラブでピアノを演奏し、女の子を口説くのが生きがい。何にも縛られることなく、気ままな生活を満喫している。5月のある火曜日、ふとしたきっかけで、シャルロットという女性と知り合う。互いに惹かれあうふたりだったが、シャルロットには2度の離婚歴があり、前夫との間に生まれた3人の子供を育てていて、恋愛に興味を持てずにいるのだった。更に、シャルロットの前夫が、サーシャの仕事上の取引先の大物アランである事がわかり、ふたりの恋はますます迷走していく・・・。
『恋するパリのランデヴー』の感想
「ドタバタコメディ」という言葉があるが、まさにこれぞドタバタコメディ。
とはいえ、普通のドタバタコメディというわけでもない。
予想もつかないタイミングでドタバタが発生するのだ。
何か飲みながらこの映画を見る人は気をつけた方がいい。
油断していると口から水分を吹き出す可能性大である。
とにかく笑えるのだが、アメリカ映画みたいにちっとも下品じゃない。
唐突ながらセンスのよい笑い。
良質なフランス人の感性が十二分に発揮されているな、という感じ。
また、ソフィー・マルソーがもう、たまらないくらいイイ!
このところ私はソフィー・マルソーにぞっこんなのだ。
今にしてふりかえると『ラ・ブーム』のころは単なる可愛いアイドル女優でしかなかった。
それから歳を重ねるごとに味が出ていって、本当にいい女優さんになった。
シリアスな役もできれば、コメディも極上にうまい。
私はコメディが出来ない女優さんはダメなのだ。
今回ソフィーは35歳で、究極のドジ女、という役どころ。
こないだ『ソフィー・マルソーのSEX,LOVE&セラピー』という映画を見たんだけれども、あれはかなり設定に無理があったよな。
それに対して、こちらは年相応の設定がストーリーに活きていたから、笑いにも説得力があった。
いわゆるソフィー演ずるシャルロットは3人の子持ちでバツイチ。
おまけに金持ちで絶倫王の愛人と破局同然の身(こんな男につかまるところもドジのひとつか)という複雑な状況。
主人公のサーシャは作曲家でピアニストなのだけれど、シャルロットと恋におちてからというもの、シャルロットのドジっぷりが災いしているのか、仕事がうまくいかない。
まわりからは別れろと責められるが、それでも恋する気持ちは止めることができず・・・。
そんな感じで、ソフィー・マルソーの絶妙なコメディ演技と設定がうまく調和して、お話しはおもしろくころがってゆく。
ストーリーは単純な一目惚れ&ドタバタ&三角関係ものかと思ったら、これがなかなかヒネリが効いていて、成り行きから目が離せない。
ラストもよかった。
ソフィーのことばかり書いたが、男のほう、主人公のピアノがやたらうまい。
普通にピアノ演奏として存分に楽しめるクオリティ。
笑いあり、ドタバタつき、いい音楽あり、ソフィー・マルソーは絶好調、な感じの、オトナのラブコメ。
最高でした。
評価
こんなソフィー・マルソーを永遠に見続けたい。
★★★★★
コメント