アニメ『女子高生の無駄づかい』の感想 – 初動で損してるけどかなり笑える

女子高生の無駄づかい
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作品データ

総監督:高橋丈夫
監督:さんぺい聖
原作:ビーノ
脚本:横谷昌宏、坂井史世、福田裕子
出演:赤﨑千夏、戸松遥、豊崎愛生、長縄まりあ、富田美憂、高橋李依、佐藤聡美、M・A・O、興津和幸
音楽:菊谷知樹
制作:2019年、日本

あらすじ(ネタバレなし)

さいのたま女子高等学校では、個性的なJKたちが、今日も女子校生活を無駄に過ごしている。

『女子高生の無駄づかい』の感想

主題歌がおもしろい。
まずは主題歌でひと笑い。

しかし本編がはじまってみたら、わりと寒いギャグが多くて、これは外したかと思った。
第2話くらいからぼちぼち笑えるシーンも増えてきて、そこそこおもしろくなってくるが。

このアニメを見ていて、なんだか煮え切らない私の気持ちの後ろ側にあるものを探っていたら、ふと、十数年前の私のアニメ遍歴のあるひとコマを思い出した。

アニメ好きの従兄弟に「このアニメおもしろいですよ」とすすめられたのが、『あずまんが大王』。
見てみたら、「なるほどこれはオモシロイ」と結構ハマった。

その次に同じ従兄弟にすすめられたのが『ぱにぽにだっしゅ!』というアニメ。
これもハマった。

その『ぱにぽにだっしゅ!』が終わって間もなくして、従兄弟が「次はこれです」と言ってすすめてきたのが『らき☆すた』だった。
その「次はこれです」のひと言に妙にひっかかった。

「次はこれです」???

「次はこれです」って何だ・・・

つまり世の中には「個性的な女子高生たちによる日常系コメディ」というアニメのジャンルがあり、常にその固定需要が一定数、存在し、ひとつ何かが終わればまた次がはじまる、という暗黙の図式がアニメ界あったことに気がついてしまったのだ。

なんとなく「もう同じような作品の焼き直しを見るのはもうたくさんだ」という気になってしまって、結局『らき☆すた』は見なかった。

以来、この手のアニメから遠ざかって十数年の月日が流れた。

今年になって何気なくNetflixでこの『女子高生の無駄づかい』をクリックして見はじめて、「なんだか、何となく、煮え切らないなあ・・・」なんて思っていたその背後にあるものが、ここにきてようやく明らかになったのだ。

それというのも、こんなひとことが、私の脳裏に従兄弟の声で響いてきたのである。

「今はこれです」

そっ・・・そうか・・・

そういうことだったのか!

「個性的な女子高生たちによる日常系コメディ」なんてもうたくさん、なんて思っていた私に、こうしてすっかり忘れていた今になって遭遇してしまうとは・・・

アニメ界、恐るべし。

女子高生の無駄づかい

メインの3人:(左から)ヲタ、バカ、ロボ(出典:imdb

とりあえず、せっかくだからそのまま見続けた。

第3話を見てみた。
笑えることは笑えるけど、どうしても時間を無駄にしてる感が消えない。
さすがタイトルに「無駄遣い」と入ってるだけのことはある。

そろそろ見るのをやめようかな・・・と思っていた矢先の第4話。
これが最初から最後まで笑いっぱなしで、さすがにこのレベルまで笑えたら時間の無駄感はないかな、とだんだん前向きになってきたのだ。

第5話もめちゃくちゃ笑った。

最高に大爆笑できたのが第7話。

いやいや、なかなかどうして、

何気にアニメでここまで笑える作品て今までなかったかも。

このアニメのチャームポイントのひとつに、古典的なギャグをここぞというところでぶつけてくる点がある。

第10話の冒頭のロボが口で「ガタンゴトン」と言っているギャグなんて、80年代に伊藤四郎が似たような笑いをやっていたし、毎回オープニングでバカが「あのさ、スゴいこと言っていい?」とお決まりのネタをぶちかますところなど、古典的な天丼である。

最新の笑いと古典的なボケとツッコミをうまく融合させることで、かなり密度の濃いコメディを実現している。

しかしこれはこのアニメのオリジナリティというわけではなく、最近の漫画を読むと、わりと今はこういう古典的なギャグを今風にアレンジして再利用するのが主流になりつつあるのを感じるな。

最終回まで見たら、結構これがかなり笑えるおもしろいアニメだったのだ。

ふりかえると、つくづく、序盤はスローな出だしだったなあ。
第3話くらいまでは普通にそこそこ笑えるだけ。
おかげで余計な雑念が入ってしまった。

そういう点でこのアニメ、ちょっともったいないことしてるかも。

YouTubeで海外の人たちのリアクション動画を検索してみると、やっぱり最初の方で見るのをやめた人がちらほら。

第2話くらいからじょじょにおもしろくなっていって、第4話あたりからが本領発揮。

大爆笑は第5話と第7話。

女子高生の無駄づかい

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評価

出だしはスローだけど、かなり笑えるようになるので、ジャンル的に嫌いじゃないなかったら見続けることをオススメします。
★★★★

Good Movie 認定


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