作品データ
原題:My Best Friend’s Birthday
監督:クエンティン・タランティーノ
脚本:クエンティン・タランティーノ、クレイグ・ハマン
出演:クエンティン・タランティーノ、クレイグ・ハマン、クリスタル・ショー・マーテル
制作:1987年、アメリカ
あらすじ(ネタバレなし)
ラジオのDJをやっているクラレンスは、親友ミッキーの30歳の誕生日を祝おうと、あれこれ計画する。
しかしやることなすこと、ことごとく裏目に出て、とんでもない事態に・・・。
『マイ・ベスト・フレンズ・バースデー』の感想
私はタランティーノの脚本はすべて英語の原文で読んでいる。
この映画も脚本を読んだ。
タランティーノ唯一の純粋コメディともいえるべき作品で、これに犯罪映画のテイストを加えたら『トゥルー・ロマンス』になるって感じ。
キャラクターも、クラレンスやクリフォードなど、『トゥルー・ロマンス』と同じ名前がかぶっている。
しかしこちらのクレランスはタランティーノが演じていて、『トゥルー・ロマンス』のクラレンスはどちらかというともうひとりの主役ミッキーのほうが近いって感じ。
また、『トゥルー・ロマンス』でクリフォードはクラレンスのお父さん(演じていたのはデニス・ホッパー)だったが、こちらでは黒人でポン引きの名前。
『トゥルー・ロマンス』でいうゲイリー・オールドマンが演じたドレクスルに当たる役柄かな。
現在YouTubeなどで見れる36分の編集版は、脚本と照らし合わせると、ほとんどダイジェスト。
ストーリーはまったく通じない。
なんでも全体は70分とも90分とも言われているが、火事で焼けてしまい、現在では残っていないようだ。
なので、この記事はほとんど脚本の感想がメインです。
タランティーノの会話センスはすでにこの頃から認められるが、まだ八分咲きと言う感じ。
こうしてみると、犯罪映画でタランティーノの作風は初めて花開いたんだってことがわかる。
同じ作風も、ジャンルでこうも違った印象になるのだな。
この映画の脚本で唯一素晴らしい点は、タランティーノの作品で一番笑えるところ。
↓ここから先は脚本のネタバレあり↓
こちらが現在残っている36分の映像
ただ、笑えたとはいえ、最後の最後まで救われない主役たちの悲惨なラストはさすがに笑う気になれなかった。
最後くらいは「いろいろあったけど結果オーライ」なラストにしてほしかったな。
ちなみに映像は、脚本に照らすと、クライマックスの直前くらいで終わっている。
詳しいこの映画の内容を知りたい方は、この映画の内容を完全解説するコラムを連載形式で書いておりますので、ぜひ参考にしてください。
評価
未完ということで。
評価不能
コメント