作品データ
原題:Maria
監督:ペドリング・ロペス
脚本:ペドリング・ロペス、他
出演:クリスティーン・レイエス
制作:2019年、フィリピン
あらすじ(ネタバレなし)
元殺し屋の美人妻マリアは、夫と娘と3人暮らし。現在では普通の生活を満喫している。ところがある日、かつて所属していたギャングに見つかってしまい、ふたたび凶暴な世界へと引きずりこまれてゆく。
『MARIA/マリア』の感想
これまた珍しく、フィリピンのアクション映画である。
最近はインドネシア映画、シンガポール映画、タイ映画など、得体の知れないアジアの映画がどんどん輸入されている。
インドネシア映画やタイ映画はそこそこクオリティ高いが、それ以外はとんと掘り出し物が少ない。
さてこれはどうか。
予告編を見ておもしろそうだと思って見たのだが、冒頭の、迫力も何もない、センスのカケラも感じられないアクションで一気に不安に。
主人公の女性マリアはやたら美人なので、この人で目の保養ができる以外の見どころがまったくなかったらどうしようと思った。
魅せ方もかなりショボく、このストーリーだったらもっとおもしろくできなきゃダメだ。
さらに途中、子供をあっさり殺すシーンがあって、なんて胸糞悪い映画だ、と吐き気をもよおした。
これでもうこの映画の印象は最悪になり、最後まで回復することはなかった。
後半は監督が慣れたのか、スーパーバイザーでもついたのか、冒頭のショボいアクションと比べるとかなりカメラワークや演出が改善され、そこそこアクションだけは楽しめる感じになってきた。
ただ、韓国映画『オールド・ボーイ』っぽい場面があったのはちょっとシラけたけど。

出典:imdb
と思って調べてみたら、びっくり。
いい動きしてるので女流アクションスターかと思ったら、普通にフィリピンで有名な美人女優さんなんだって。
大したもんだ。
あと、敵にやたら強い女のファイターが2名ほどいて、最初にやられる子より後に出てくる方が美人だったので、これは美貌に比例して最強になってゆく世界観かと思ったら、後の方はあっけなく殺されて吹き出しそうになった。
こういう意表のつき方は嫌いじゃない。
続編作る気満々な尻切れとんぼラストはヘタクソなストーリー展開のダメ押し。
こういうフザケた終わり方させる映画の続編なんて、逆に死んでも見るかという気になる。
まとめると、いくつか指摘した通り、そこそこ見どころはある(主人公が美人なところ、後半のアクションが少しだけ改善されたこと、敵の女ファイターの2番目のほうがあっけなく死んで笑えるところ)。
がしかし、かなり胸糞悪いシーンやショボい要素が満載なので、全体の印象としては限りなく「いいとこ無し」に近い。
評価
いいところもあったが、マイナス面がとにかく酷すぎるので。
★★★★★
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