作品データ
原題:濟公
監督:ジョニー・トー
脚本:シウ・ライキン
出演:チャウ・シンチー、マギー・チャン、アニタ・ムイ
制作:1996年、香港
あらすじ(ネタバレなし)
天界を追放されかかった天使ローハンは、下界で3人の悪人(娼婦、物乞い、大悪党)を改心させれば許されると言われ、仙術を使わず、観音様からもらった魔法の渋団扇ひとつで大奮闘する。
『マッド・モンク 魔界ドラゴンファイター』の感想
『蜀山』みたいな香港伝奇アクションのコメディ仕立てチャウ・シンチー版、といったところ。
主役は済公といって12世紀に実在した人物で、中国圏では様々な物語が作られている人気のお坊さんらしい。(原題もそのまま『濟公』)
冒頭では天帝様に西王母をはじめ、太上老君らしき人や二郎神君など、中国の人気の神様が勢ぞろい。
しかし神仙好きで老子や荘子を愛読する私としては、これら道教の神々より仏教の観音様の方が偉く描かれているのがいつもながら気になるが、主人公は実在の有名なお坊さんだし、それに観音様を演じるのが麗しのアニタ・ムイじゃあしょうがない。
それにこの映画の本質的な問題点はそこじゃない。
チャウ・シンチーの映画って、どういうことだかは知らないが、笑いっぱなしの映画とちっとも笑えない映画の2通りにハッキリ分かれる。
『少林サッカー』『0061』『最強の出前人』『喜劇王』『ミラクル7号』『西遊記』などはゲラゲラ腹かかえて笑ったが、『食神』『008』『カンフーハッスル』などはさっぱり笑えなかった(『食神』は映画として好きだけれども)。
笑いのツボの合う合わないが映画によって極端なのだ。これって私だけ?
時期もバラバラで、法則も見出せず、いまだに不思議である。
まあ、それで、この『マッド・モンク』はというと、私にはぜんぜん笑えなかった。
笑えないだけじゃなくて、なんだかキタナい人ばかり出ていて、見ていて気持ち悪い。
後半マギー・チャンの出番が増えて、ちょっと目に優しくなってきたけれども。
とはいえ、とにかく笑えないのでダレる。
唯一、笑えたのはメリケンサックのところくらい。
他は、冒頭の神々のやりとりの後ろで真面目な顔してつっ立っている天女たちの空気感がいくらかおかしかった。
評価
星ふたつはアニタ・ムイに。
★★★★★
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